夏休みに入り、いよいよえひめ子ども観光大使の講座が始まりました。
トップの講座は、ちりめん漁(伊方町)です。
日本で一番細長い半島である佐田岬半島の途中にある木嶋水産に集合した8人の子どもたち。
まず、木嶋英幸さんから漁のお話を少しお聞きした後は、早速船着き場に向かいます。
救命胴衣を身に付けて早速乗船。
今回のちりめん漁は3隻の船で行います。
2隻の船が両側で網を引っ張り、中央の魚がたまったところをもう1隻の船で対応するという仕組みです。
その1隻が陸と行き来して、新鮮な状態のちりめんを素早く届けることになっています。
今回子どもたちが乗り込んだのは、その運搬する船でした。
船の上では、木嶋さんがちりめん漁についての話をいろいろとしてくださいました。
宇和海ではちりめんが一年中獲ることができること。
取り過ぎを防ぎ豊かな海を保つために、自主的に禁漁期間を決めて漁を続けていること。
魚群探知機を活用していること。
一つ一つが漁師さんの生きた知恵がぎゅっとつまった話ばかりでした。
木嶋水産で使っている網の長さは、なんと225m。
陸上でイメージするとどこからどこまでの長さになるのでしょうか。
通常の小学校の運動場をすっぽりと包み込む長さかもしれません。
今回は、台風の影響もあってか獲れるちりめんの漁が少なく、機械で吸い上げるには至りませんでした。
それでもきれいなちりめんを網ですくい上げる作業は見ることができました。
船から帰り、工場に戻り、今度はちりめんを加工する工程について説明をお聞きしました。
鮮度が非常に大切になるちりめんは、船で獲って30分ほどで加工に入るそうです。
ゆでる際には真水に塩を加えたものを使い、不純物の混じらない状態での加工を心掛けているともお聞きしました。
ここで木嶋さんからの試食のプレゼント。
出来上がったばかりのちりめんです。
白く美しいちりめんを掌に乗せ、少しずつ口に運ぶ子どもたち。
「おいしい!!」
「ちりめんだけでもこんなにおいしいんだ!」
大人たちのところに報告に行く子どもたちの様子が、そのおいしさを物語っていました。
しっかりと手を洗い消毒し、いよいよ食事タイムです。
温かいごはんにちりめんをたっぷりかけ、ネギ、きざみのり、天かす、生卵をお好みでかけていきます。
そして決め手は秘伝のたれ!
木嶋さんが今朝作ったばかりの新鮮なタレを、上からかけて仕上げました。
味は……。
こればかりは言葉になりません。
(感染防止対策をとっているため、マスクを外しているときは、無言の食事タイム。)
大人も子どもも、そのおいしさに舌鼓を打っていました。
ここで一つ裏方の話。
今回は、子ども観光大使を卒業した中学生が、ジュニアリーダーとして細かなサポートをする体制に挑戦しました。
参加する小学生を複数の班に分け、それぞれの班をジュニアリーダーが担当したのです。
あやちゃん、マッキー、ほっしーと、愛称で呼ばれるリーダーは、救命胴衣の手配から船の上での小学生への声掛けによる体調管理。
食事の世話、片付けなど、全てにおいて支えてくれました。
講座終了後、リーダー3人と話をしました。
「小学生と関わるのは、とっても楽しかった!」
「いつもお母さんたち(保護者スタッフ)はこんなことをしてくれてたんだなと思いました。」
「そうだね。やってみるといろいろと感じることがあるよね。3人の「楽しかった」っていう言葉が、いいと思うよ。お母さんたちは、ガンガン動いた後に「楽しかった!」って帰っていくからすごいよね。またお願いね!」
まとめ役をすることに楽しさを感じられるって、なんと素敵な3人でしょう。
人の役に立つことに喜びを感じるって、いいですよね。
ジュニアリーダーを見守る保護者スタッフのお母さんたちも、頼れる先輩の姿に喜びを隠し切れない様子でした。
コロナ禍の中でも、子どもたちに愛媛の良さを体験してもらいたいと、ご家族、会社を挙げて今回の講座を全面的にバックアップしてくださった木嶋英幸さんを始めとする木嶋水産の皆様、本当にありがとうございました。
おかげさまで、貴重な体験ができました。
また、伊方町に来ます!